特許事務所

同時打鍵式日本文入力装置

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2003−157139(P2003−157139A)
(43)【公開日】平成15年5月30日(2003.5.30)
(54)【発明の名称】同時打鍵式日本文入力装置
(51)【国際特許分類第7版】
G06F 3/023
3/02 310
H03M 11/08
【FI】
G06F 3/02 310 D
3/023 310 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2002−50794(P2002−50794)
(62)【分割の表示】特願平11−377364の分割
(22)【出願日】平成11年12月30日(1999.12.30)
(71)【出願人】
【識別番号】301026642
【氏名又は名称】佐藤 富徳
【住所又は居所】奈良県生駒郡三郷町信貴ケ丘2丁目9番12号
(72)【発明者】
【氏名】佐藤富徳
【住所又は居所】奈良県生駒郡三郷町信貴ヶ丘2丁目9番12号
(74)【代理人】
【識別番号】100104606
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 富徳
【テーマコード(参考)】
5B020
【Fターム(参考)】
5B020 AA04 DD21 FF15



(57)【要約】 (修正有)
【課題】極力少ないストロークで入力するともに、キーボード配列のキー数を極力少なくして記憶・練習し易くするとともに、かつ極力少ない指の動きで入力することを可能にする同時打鍵式日本文入力装置を提供する。
【解決手段】子音系キーK1,K2のいずれか2つのキー及び/又は母音系キーK3,K4のいずれか2つのキー及び/又はシフトキーが同時打鍵される同時打鍵式日本文入力装置である。本構成により、特に訓読みのかな2文字を1ストロークで入力することができる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】片方の手の親指以外の指で操作可能に配列された子音系キーと、他方の手の親指以外の指で操作可能に配列された母音系キーと、いずれかの手の親指で操作可能に配列された1つ又は2つ以上のシフトキーとからなる同時打鍵式日本文入力装置。
【請求項2】子音系キーが清音、濁音の子音系キーを含み、母音系キーが5母音キーを含む請求項1に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
【請求項3】母音系キーが、5母音キーと「AI」、「EI」、「OU」キー及び/又は「a」、「u」、「o」キー及び/又は「uU」、「oU」キーを含む請求項1〜2に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
【請求項4】1つ又は2つの子音系キー及び2つの母音系キーが同時打鍵される請求項1〜3に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
【請求項5】2つの子音系キー及び1つ又は2つの母音系キーが同時打鍵される請求項1〜4に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
【請求項6】シフトキーが母音反転キー及び/又は子音反転キーを含む請求項1〜5に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
【請求項7】シフトキーが句読点キーを含む請求項1〜6に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
【請求項8】句読点キーと子音系キーと母音キーが同時打鍵された場合、(「かな」+「、」)あるいは(「かな」+「。」)を入力することを特徴とする請求項7に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
【請求項9】シフトキーが撥音キー及び/又は促音キーを含む請求項1〜8に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
【請求項10】シフトキーのみが単独で打鍵された場合、シフトキーに予め対応させたかな文字を入力することを特徴とする請求項1〜9に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
【請求項11】子音系キーが「ブランク」を含む請求項1〜10に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
【請求項12】いずれかの1つ又は2つ以上のシフトキーが足又は音声で打鍵可能なようにした請求項1〜11に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
【請求項13】子音系キーが「K、S、T、H、N、M、R」キーを含み、母音系キーが「A、I、U、E、O」を含み、シフトキーに濁音キーを含むことを特徴とする請求項1〜14に記載された同時打鍵式日本文入力装置。

詳細な説明

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同時打鍵式日本文入力装置(以下、単に、日本文入力装置ともいう。)に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、キーコードからの日本文入力装置としては、かな1文字づつを独立のキーに配置したJIS方式、1つ又は2つのキーに2文字を割り当てシフトキーで分離した親指シフトの新JIS方式などが実用化されている。JIS方式キーボードは、主な文字だけで縦4段、横12列に置かれており、キー配列も使用頻度をほとんど無視したものであり、ブラインドタッチ入力はかなり難しくなっている。一方、親指シフトの新JIS方式キーボードは、縦3段・横10列に主な文字が全て収納されているため、慣れればそれなりに効果が上がるが、練習に時間がかかる。従って、現状では、殆ど使われていない。また、英文のキーボードに慣れている人は、アルファベットをローマ字として入力するローマ字入力方式を採る。頭の中でローマ字に置き換えるだけでよいので、一番抵抗がない方式であり、広く普及している。ただし、大抵の日本文1文字はキーを2回押さなければならないという欠点を有している。また、日本文と英文では、各キーの使用頻度が違うため、入力の効率は悪くなるという欠点も有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】日本文は子音と母音の組み合わせで構成され、文字のほとんどは、50音表で表わすことができるという特徴を持つ。これにより、従来から提案されているキーボードでは、子音と母音とを、それぞれ、例えば右手側に配置したキーと左手側に配置したキーで指定し、子音と母音に対応するかな文字を選択するものである。従来のキーボードの大部分は、まず子音キーを押し次に母音キーを押すというシーケンシャルなキー入力のものが大部分であり、ローマ字入力方式と同様の1文字2ストロークの欠点を有している。複母音入力、拗音入力、撥音入力、促音入力等では、3個のキーを順次押さなければならない。句読点入力でも、3個のキーを順次押さねばならない。また、同時打鍵式日本文入力装置であっても、特に訓読の2文字は、同時打鍵して1ストロークで入力することはできなかった。本発明の目的は、上記の不都合を解消し、極力少ないストロークで入力するともに、キーボード配列のキー数を極力少なくして記憶・練習し易くするとともに、かつ極力少ない指の動きで入力することを可能にする同時打鍵式日本文入力装置を提供することである。更に、日本文では、複母音、小文字の「ぁ」、「ぃ」、「ぅ」、「ぇ」、「ぉ」及び(「ぅ」、「ぉ」+「う」)が頻繁に出てくるが、それらを極力少ないストローク数で入力する同時打鍵式日本文入力装置を提供することである。更に、「かし」等のようなかな2文字を1ストロークで入力する同時打鍵式日本文入力装置を提供することである。更に、「さとう」、「ちょうしゅう」等の3文字以上のかな文字を1ストロークで入力する同時打鍵式日本文入力装置を提供することである。更に、「は、」、「を、」、「て、」、「り、」、「た。」、「す。」、「る。」等のような「かな1文字+句読点」のかな文字を、1ストロークで入力する同時打鍵式日本文入力装置を提供することである。更に、日本文入力装置では、極力少ないストロークで入力するためには、シフトキーの数が多くなり、かつ2つ又は3つ以上のシフトキーを同時に打鍵する必要が有る。そこで、2つ又は3つ以上以上のシフトキーの同時打鍵を可能として、極力少ないストロークで入力する同時打鍵式日本文入力装置を提供することである。なお、上記以外の課題は、効果の裏返として記載される。効果については、後述する。
【0004】
【課題を解決するための手段】課題を解決するための手段は、以下の請求項にそれぞれ記載された発明である。
[請求項1]片方の手の親指以外の指で操作可能に配列された子音系キーと、他方の手の親指以外の指で操作可能に配列された母音系キーと、いずれかの手の親指で操作可能に配列された1つ又は2つ以上のシフトキーとからなる同時打鍵式日本文入力装置。
[請求項2]子音系キーが清音、濁音の子音系キーを含み、母音系キーが5母音キーを含む請求項1に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
[請求項3]母音系キーが、5母音キーと「AI」、「EI」、「OU」キー及び/又は「a」、「u」、「o」キー及び/又は「uU」、「oU」キーを含む請求項1〜2に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
[請求項4]1つ又は2つの子音系キー及び2つの母音系キーが同時打鍵される請求項1〜3に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
[請求項5]2つの子音系キー及び1つ又は2つの母音系キーが同時打鍵される請求項1〜4に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
[請求項6]シフトキーが母音反転キー及び/又は子音反転キーを含む請求項1〜5に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
[請求項7]シフトキーが句読点キーを含む請求項1〜6に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
[請求項8]句読点キーと子音系キーと母音キーが同時打鍵された場合、(「かな」+「、」)あるいは(「かな」+「。」)を入力することを特徴とする請求項7に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
[請求項9]シフトキーが撥音キー及び/又は促音キーを含む請求項1〜8に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
[請求項10]シフトキーのみが単独で打鍵された場合、シフトキーに予め対応させたかな文字を入力することを特徴とする請求項1〜9に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
[請求項11]子音系キーが「ブランク」を含む請求項1〜10に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
[請求項12]いずれかの1つ又は2つ以上のシフトキーが足又は音声で打鍵可能なようにした請求項1〜11に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
[請求項13]子音系キーが「K、S、T、H、N、M、R」キーを含み、母音系キーが「A、I、U、E、O」を含み、シフトキーに濁音キーを含むことを特徴とする請求項1〜14に記載された同時打鍵式日本文入力装置。
(用語の定義)
・同時打鍵式日本文入力装置とは、一般的には、1つ又は2つの子音系キーと1つ又は2つの母音系キーと1つ又は2つ以上のシフトキーとが同時に打鍵されることにより、1つ又は2つの子音系キーと1つ又は2つの母音系キーと1つ又は2つ以上のシフトキーに対応するかな文字を入力することができる同時打鍵式日本文入力装置をいう。なお、子音系キー、母音系キー、シフトキーは全て打鍵されるとは限らず、打鍵されない場合も有る。
・同時打鍵とは、ある時間帯t1〜t2に、2つ以上のキーが同時に打鍵され、かつ同時打鍵式日本文入力装置が時間t(t1≦t≦t2)に2つ以上のキーが打鍵されたと判定することをいう。
・子音系キーとは、「K、S、T、H、N、M、R」のキーの他、「ブランク、Y、W、G、Z、D、B」のキー、あるいは「、」、「。」等のキーも含む。ただし、濁音キーがシフトキーとして設けられる場合は、濁音の「G、Z、D、B」のキーは除かれる。キーのうち、母音系キー、シフトキーを除いたものを含むとも解することができる。
・入力とは、打鍵された1つ又は2つ以上のキーに対応する文字コード(対応する文字コードは1つとは限らず、2以上の場合も有る。)にかな変換することを意味する。かな変換した文字コードはホストシステムに送出される。
・5母音とは、日本語の「A、I、U、E、O」の母音をいう。
・母音系キーとは、5母音「A、I、U、E、O」キーの他、「a、i、u、e、o」の小文字母音、「uU、oU」の(小文字母音+「う」)、「AI、EI、OU」の複母音等のキー等も含む。ただし、小文字母音キー、複母音キー等が、シフトキーとして設けられる場合は、「a、i、u、e、o」の小文字母音、「uU、oU」の(小文字母音+「う」)、「AI、EI、OU」の複母のキー等は母音系キーから除かれる。
・シフトキーとは、一般的には、他のキーと一緒に押すことで、そのキーに別の意味を割り当てる補助キーの意味である。しかし、本発明の同時打鍵式日本文入力装置においては、シフトキーと子音系キーや母音系キーとの打鍵順番は問題とせず、原則として、同時に押された子音系キーや母音系キーとシフトキーに予め対応させたかな文字を入力するようにしたキーである。一般的な意味では、シフトキーが、シフトキーを押しながら、あるキーを打鍵した場合、キーの上段に表示された文字が読み込まれるのに対して、本発明のシフトキーが、同時に押された子音系キーや母音系キーとシフトキーに予め対応させたかな文字を入力する点(シフトキーは、子音系キーや母音系キーに従属するものでなく、対等である点)、一般的なシフトキーと本発明のシフトキーとは相違する。
・ストローク数とは、同時打鍵の回数をいう。複数のキーの同時打鍵であっても同時に打鍵される場合は、ストローク数は1と数えることする。
・初期優先順位とは、2つの子音キー同士、あるいは2つの母音キー同士の間で予め設定された優先順位をいう。具体的には、以下に従うものとする。但し、本発明はこれのみに限定されるものではない。子音については、「ブランク」>「K」>「S」>「T」>「H」>「N」>「M」>「Y」>「R」>「W」>「G」>「Z」>「D」>「B」>[P]と順番について優先順位を設定する。すなわち、同時に打鍵された場合であっても、子音系キーが優先順位に従って打鍵されたと取り扱うものである。母音についても、「A」>「I」>「U」>「E」>「O」>「AI」>「EI」>「OU」>「a」>「u」>「o」>「uU」>「oU」と順番について優先順位を設定しておく。すなわち、同時に打鍵された場合であっても、母音系キーが優先順位に従って打鍵されたと取り扱うものである。
・反転優先順位とは、子音反転キー及び/又は母音反転キーが同時打鍵されることによって、初期優先順序が反転優先順位に反転することをいう。具体的には、以下に従うものとする。子音については、「ブランク」<「K」<「S」<「T」<「H」<「N」<「M」<「Y」<「R」<「W」<「G」<「Z」<「D」<「B」<[P]と初期優先順位が反転優先順位に反転する。すなわち、同時に打鍵された場合であっても、子音系キーが反転優先順位に従って打鍵されたと取り扱うものである。母音についても、「A」<「I」<「U」<「E」<「O」<「AI」<「EI」<「OU」<「a」<「u」<「o」<「uU」<「oU」と初期優先順位が反転優先順位に反転する。すなわち、同時に打鍵された場合であっても、母音系キーが反転優先順位に従って打鍵されたと取り扱う。
・優先順位ルールとは、以下のように取り扱うことをいう。子音同士、母音同士の組合せについて、予め初期優先順位を定めておく。以下、例を上げて説明する。初期優先順位により、「K1」、「K2」の子音同士では、「K1」は「K2」に優先し、「A1」、「A2」の母音同士では、「A1」は「A2」に優先するものとする(即ち、K1」>「K2」、「A1」>「A2」)。従って、「K1」、「K2」の子音系キー同士が同時に打鍵された場合、子音系キー同士は、「K1」→「K2」のように初期優先順位に従って打鍵されたものとして取り扱い、「A1」、「A2」の母音系キー同士が同時に打鍵された場合、母音系キー同士は「A1」→「A2」のように初期優先順位に従って打鍵されたものとして取り扱う(即ち、K1」>「K2」、「A1」>「A2」)。ただし、2つの子音系キー及び子音反転キーが同時に打鍵された場合、子音反転キーが打点された2つの子音系キーは、優先順位が反転して、反転優先順位で打鍵したと取り扱う(即ち、K1」<「K2」、「A1<「A2」)。例えば、「K1」、「K2」の2つの子音系キー及び子音反転キーが同時に打鍵された場合、「K2」→K1」のように反転優先順位で打鍵されたものとし、「A1」、「A2」の2つの母音系キー及び母音反転キーが同時に打鍵された場合、「A2」→A1」のように反転優先順位で打鍵されたものと取り扱う(即ち、K1」<「K2」、「A1<「A2」)。なお、狭義には、前者の場合を、単に優先順位ルール、後者を反転優先順位ルールともいう。さらに、撥音キーが、子音系キーと母音系キー及び/又は子音反転キー及び/又は母音反転キーが同時打鍵された場合、撥音キーが一番最後に打鍵されたものと取り扱う。さらに、促音キーが、子音系キーと母音系キー及び/又は子音反転キー及び/又は母音反転キーが同時打鍵された場合、促音キーが一番最後に打鍵されたものと取り扱う。ただし、同時打鍵された母音系キー及び/又は子音反転キー及び/又は母音反転キーに対応する文字が2文字の場合、2文字の真ん中に「っ」が挿入されるような順番に打鍵されたと取り扱うようなルールにすることも可能である。
・非優先順位ルールとは、以下のように取り扱うことをいう。1つ子音系キーと2つの母音系キーが同時に打鍵された場合は、打鍵された子音系キーが2度打鍵されたものとして取り扱う。2つの子音系キーと1つの母音系キーが同時に打鍵された場合は、打鍵された母音系キーが2度続けて打鍵されたものとして取り扱う。例えば、「K1」の子音系キー及び「A1」、「A2」の母音系キーが同時に打鍵された場合、子音系キーは「K1」→「K1」のように2度続けて打鍵されたものとして取り扱う。「K1」、「K2」の子音系キー及び「A1」の母音キーが同時に打鍵された場合、母音系キーは「A1」→「A1」のように2度続けて打鍵されたものとして取り扱う。1つの子音系キーと子音反転キーが同時に打鍵された場合は、打鍵された子音系キーが2度続けて打鍵されたものとして取り扱う。1つの母音系キーと母音反転キーが同時に打鍵された場合は、打鍵された母音系キーが2度続けて打鍵されたものとして取り扱う。例えば、「K1」の子音系キー及び子音反転キーが同時に打鍵された場合、「K1」→「K1」のように2度続けて打鍵されたものとして取り扱う。「A1」の母音系キー及び母音反転キーが同時に打鍵された場合、「A1」→「A1」のように2度続けて打鍵されたものとして取り扱う。1つのみのキーについては、優先順位は考えられないので、そのキーが2度連打されたものとして取り扱うことにする。このことが、極力少ないストロークでかな入力するためには効力を発揮することになる。
【0005】なお、非優先順位ルールに従う場合、子音反転キー、母音反転キーは反転の機能は発揮せず、キーの名称としては相応しくなく、子音連続キー、母音連続キーといった方が相応しいとも言える。
・交互打鍵ルールとは、日本文の特徴である子音系キーと母音系キーが交互打鍵されるというルールであり、具体的には、優先順位ルールと組み合わせられて、以下のように取り扱われる。「K1」、「K2」の子音系キー及び「A1」、「A2」の母音系キー(更に、子音反転キー及び/又は母音反転キーが同時打鍵される場合も有る。)が同時に打鍵され、上記の優先順位ルール(反転優先順位ルール)に従って、子音系キーが「K1」→「K2」の順番で打鍵され、母音系キーが「A1」→「A2」の順番で打鍵されると取り扱われる場合、更に、交互打鍵ルールが適用されて、「K1」→「A1」→「K2」→「A2」の順番で打鍵されたものとして取り扱われる。すなわち1ストロークで「K1A1K2A2」に対応するかな文字が入力され得る。
・極力少ない指の動きとは、各指が受け持つ文字(他のキーと同時打鍵される場合を除く。)の数を極力少なくすることと同義である。例えば、濁音キーを設ける場合、人指し指は、ホームポジション、上、左上、左、左下、下、中指、薬指は、ホームポジション、上、下であったものが、人指し指は、ホームポジション、左、、左下、下、中指、薬指は、ホームポジション、下と各指が受け持つ文字の数2/3に減ずる。
【0006】
【実施の態様】本発明に係る日本文入力装置は、通常10列3段からなるキー配列を有するキーボードからなる。本発明のキー配列において、左手と右手とを同時に用いて母音系キーと子音系キーとが同時打鍵される。更に、いずれかの手の親指又はいずれかの足又は音声で操作可能に配列された1つ又は2つ以上のシフトキーが設けられており、子音系キー、母音系キーとシフトキーとを同時打鍵することができる。本発明のキー配列により、子音系キーと母音系キーとシフトキーの1ストローク入力が可能となる。いずれにしろ、子音系キーと母音系キーとシフトキーが同時打鍵されると日本文入力装置で判定されれば、キー打鍵の微少な時間差、どの指で打鍵したとかあるいは足で打鍵されたか等は問われない。本発明は、子音系キーが清音、濁音(半濁音も含み得る。)を含み、母音系キーが−「A」、「I」、「U」、「E」、「O」キーを含む同時打鍵式日本文入力装置である。本発明は、母音系キーが、5母音キーと「AI」、「EI」、「OU」キー及び/又は「a」、「u」、「o」キー及び/又は「uU」、「oU」キーを含む同時打点方式日本文入力装置である。本発明の日本文入力装置は、5列3段の母音系キーと5列3段の子音系キーが有れば、殆ど全てのかな文字は入力可能となる。本発明のキーボード配列は、英文入力用のキーボード配列よりも覚え易さの点では、遥かに単純化されている。
【0007】子音系キーの「K」と母音系キーの「AI」、「EI」、「OU」、「a」、「u」、「o」、「uU」、「oU」が同時打鍵された場合、「KAI」、「KEI」、「KOU」、「Ka」、「Ku」、「Ko」、「KuU」、「KoU」、即ち、「かい」、「けい」、「こう」、「きゃ」、「きゅ」、「きょ」、「きゅう」、「きょう」と1ストロークで2〜3のかな文字を入力することができる。「W」キーと「o」キーが同時打鍵される場合、「Wo」即ち、「うぉ」のかな文字が入力可能である。「F」キー(子音系キー、あるいは子音系キーと母音系キーと子音系キー以外のキー)と「a」、「o」キーが同時打鍵される場合、「Fa」、「Fo」、即ち「ふぁ」、「ふぉ」のかな文字が入力可能である。すなわち、「子音+複母音」、「子音+小文字母音」、(子音+小文字母音+「う」)の場合には、1ストロークで同時打点入力することが可能である。
【0008】更に、本発明は、子音系キーのいずれか2つのキー及び/又は母音系キーのいずれか2つのキーが同時打鍵される同時打鍵式日本文入力装置である。本発明の構成により、特に訓読みのかな2文字を1ストロークで入力することができる。初期優先順位は、用語の定義に従って、以下のように取り扱われる。 子音については、「ブランク」>「K」>「S」>「T」>「H」>「N」>「M」>Y」>「R」>「W」>「G」>「Z」>「D」>「B」>「P」の順番に、優先順位が設定される。母音についても、「A」>「I」>「U」>「E」>「O」>「AI」>「EI」>「OU」>「a」>「u」>「o」>「uU」>「oU」の順番に、優先順位が設定される。例えば、子音系キー「K」、「S」が同時打鍵され、母音系キー「A」、「I」」が同時打鍵された場合、優先順位ルール(子音反転キー、母音反転キーが打鍵されない場合の優先順位ルール)に従って、子音系キーが「K」→「S」の順に打鍵され、母音系キーが「A」→「I」の順に打鍵されたと取り扱うことになる。更に、日本文の特徴である子音系キーと母音系キーが交互に打点されるというルールが適用され、「K」→「A」→「S」→「I」で打鍵されたと取り扱うことになる。従って、1ストロークで「KASI」、すなわち「かし」のかな2文字が入力され得る。
【0009】本発明は、シフトキーが子音反転キー及び/又は母音反転キーを含む同時打鍵式日本文入力装置である。子音系キー「K」、「S」及び子音反転キーが同時打鍵された場合、子音反転キーが打鍵されているので、優先順位ルール(子音反転キーが打鍵された場合の優先順位ルール)により、初期反転順位は反転優先順位に反転する。母音系キー「A」、「I」及び母音反転キーが同時打鍵された場合、母音反転キーが打鍵されているので、優先順位ルール(母音反転キーが打鍵された場合の優先順位ルール)により、初期反転順位は反転優先順位に反転する。優先順位ルールに従って、子音系キーが「S」→「K」の順に打鍵されたと取り扱い、母音系キーが「I」→「A」の順に打鍵されたと取り扱うことになる。更に、交互打鍵ルールが適用されて、「S」→「I」→「K」→「A」の順に打鍵されたものと取り扱うことになる。、従って、1ストロークで「SIKA」、すなわち「しか」のかな2文字が入力され得る。
【0010】更に、本発明は、1つの子音系キーと2つの母音系キーが同時に打鍵された場合は、打鍵された子音系キーが2度続けて打鍵されたものとして取り扱う。例えば、「K」の子音系キー及び「A」、「O」の母音系キーが同時に打鍵された場合、子音系キーは「K」→「K」のように2度続けて打鍵されたものとして取り扱われ、全体としては、「KAKO」即ち、「かこ」の文字が入力される。2つの子音系キーと1つの母音系キーが同時に打鍵された場合は、打鍵された母音系キーが2度続けて打鍵されたものとして取り扱う。例えば、「K」、「S」の子音系キー及び「A」の母音キーが同時に打鍵された場合、母音系キーは「A」→「A」のように2度続けて打鍵されたものとして取り扱われ、全体としては、「KASA」即ち、「かさ」の文字が入力される。
【0011】1つの子音系キーと子音反転キーが同時に打鍵された場合は、打鍵された子音系キーが2度続けて打鍵されたものとして取り扱う。1つの母音系キーと母音反転キーが同時に打鍵された場合は、打鍵された母音系キーが2度続けて打鍵されたものとして取り扱う。例えば、「K1」の子音系キー及び子音反転キーが同時に打鍵された場合、「K1」→「K1」のように2度続けて打鍵されたものとして取り扱う。「A1」の母音系キー及び母音反転キーが同時に打鍵された場合、「A1」→「A1」のように2度続けて打鍵されたものとして取り扱う。 例えば、「K」の子音系キー及び子音反転キーと「uU」の母音系キー及び母音反転キーが同時に打鍵された場合、「K」→「K」、「uU」→「uU」のように2度続けて打鍵されたものとして取り扱われ、全体としては、「KuUKuU」即ち、「きゅうきゅう」の文字が入力される。また、「K」の子音系キー及び子音反転キーと「A」の母音系キー及び母音反転キーがまた、同時に打鍵された場合、「K」→「K」、「A」→「A」のように2度続けて打鍵されたものとして取り扱われ、全体としては、「KAKA」即ち、「かか」の文字が入力される。
【0012】本発明は、更に少ない打鍵数で入力するためのシフトキーが句読点キーを含む同時打鍵式日本文入力装置である。シフトキーが句読点キーの場合、子音系キーと母音系キーと句読点キーの3キー同時打鍵によって、子音系キーと母音系キーに対応かな文字とかな文字に対応して予め決められた「、」又は「。」のいずれかが入力され得る。すなわち、かな文字が、例えば「は」、「り」、「て」等である場合「、」が入力され、「は、」、「り、」、「て、」等のようにかな2文字が入力され得る。「す」、「る」、「た」等である場合、「。」が入力され、「す。」、「る。」、「た。」等のようにかな2文字が入力され得る。「〜は、」、「〜であり、」、「〜して、」、あるいは「〜です。」、「である。」、「〜した。」等の語が日本文では頻繁に使われる。これにより、子音系キーと母音系キーと句読点キーの3キーを同時打鍵することにより、1ストロークでかな2文字を入力することができる。句読点は、日本文には頻繁に出てくるので、少ないストロークで効率的に日本文入力が可能となる。
【0013】本発明は、シフトキーが撥音キー及び/又は促音キーを含む同時打鍵式日本文入力装置である。これにより、子音系キーと母音系キーと撥音キーの3キーが同時打鍵された場合、子音系キーと母音系キーに対応するかな文字と撥音「ん」が入力され得る。撥音キーは、5母音キーの他、「AI」、「EI」、「OU」キー及び/又は「a」、「u」、「o」キー及び/又は「uU」、「oU」キーと組み合わせることができる。例えば、「K」の子音系キーと「A」、「I」、「U」、「E」、「O」、「AI」、「EI」、「OU」、「a」、「u」、「o」、「uU」、「oU」の母音系キーと撥音キーが同時打鍵された場合、「KAN」、「KIN」、「KUN」、「KEN」、「KON」、「KAIN」、「KEIN」、「KOUN」、「KaN」、「KuN」、「KoN」、「KuUN」、「KoUN」即ち、「かん」、「きん」、「くん」、「けん」、「こん」、「かいん」、「けいん」、「こうん」、「きゃん」、「きゅん」、「きょん」、「きゅうん」、「きょうん」と入力される。撥音キーは使用頻度が大であるので、撥音キーをシフトキーとすることにより、1ストロークで最低かな2文字を効率的に入力することができる。
【0014】撥音キーの場合と同様、子音系キーと母音系キーと促音キーの3キーが同時打鍵された場合、子音系キーと母音系キーに対応するかな文字と促音「っ」が入力され得る。促キーも使用頻度が大であるので、促音キーをシフトキーとすることにより、1ストロークで最低2文字を効率的に入力することができる。本発明は、シフトキーのみが単独で打鍵された場合、シフトキーに予め対応させたかな文字を入力することを特徴とする同時打鍵式日本文入力装置である。シフトキーとは、一般的には、他のキーと一緒に押すことで、そのキーに別の意味を割り当てる補助キーの意味である。シフトキーのみが単独で打鍵された場合、通常は補助キーの機能を有するので、文字を入力することはない。従って、本発明の場合、シフトキーを文字キーとしても用いることができるので、キー配列の面で非常に効率的である。例えば、撥音キーは「ん」、促音キーは「っ」、句読点キーは「、」あるいは「。」等である。
【0015】更に、本発明は、子音系キーが「ブランク」を含む同時打鍵式日本文入力装置である。通常「ブランク」は親指で打鍵するのであるが、「ブランク」の子音系キーと母音系キーが同時打鍵された場合、あ段のかな文字が入力可能となる。即ち、「ブランク」と「A」が同時打鍵されれば、「A」即ち、「あ」が入力される。「ブランク」と「K」と「A」と「I」が同時打鍵されれば、優先順位ルールと交互打鍵ルールより、「AKI」即ち「あき」が入力される。「ブランク」の子音系キーのみが打鍵された場合、「余白」を入力することができる。これは、英文入力キーボードでは余白は親指で打鍵するものという先入観があるので、本発明のように、「ブランク」の子音系キーを設けるというのは案外思い付かないものである。「ブランク」の子音系キーを設けることにより、非常に効率的な入力が可能となる。本発明は、いずれかの1つ又は2つ以上のシフトキーが足又は音声で打鍵可能なようにした同時打鍵式日本文入力装置である。シフトキーは、一般には、左右の手の親指で打鍵されるものであるが、両手の親指で同時打鍵する場合であっても、同時に打鍵できるシフトキーの数は2である。しかし、少ないストローク数で多数のかな文字を入力するという本発明の課題達成には、なお不十分である。そこで、親指で打鍵するシフトキーの他、更に1つ又は2つ以上のシフトキーが足又は音声で打鍵可能なようにすることにより、2つ又は3つ以上のシフトキーを同時打鍵可能にした。これにより、日本文入力装置は、少ないストローク数で、多数のかな文字を容易に入力することが可能となる。本発明は、子音系キーが「K、S、T、H、N、M、Y、R」キーを含み、母音系キーが−「A、I、U、E、O」を含み、シフトキーに濁音キーを含むことを特徴とする同時打鍵式日本文入力装置である。例えば、濁音のかな文字は、ホーム段にKSTHの子音系キーと母音系文字と濁音キーが同時打鍵されることにより入力され得る。これにより、子音系キーが1段分減り、5列2段の子音系キー配列が可能となる。濁音キーは、いずれかの手の親指(又はいずれかの足又は音声で)操作可能に配列されなければならないが、通常は、子音系キーを打鍵する側の手の親指(あるいは、子音系キーを打鍵する側の足)で打鍵するのが良い。濁音キーは子音に関するもので人間にとって覚え易いからである。濁音系キーの使用頻度は、比較的少ないので、5列1段の母音系キーと5列2段の子音系キーが有れば、殆ど全てのかな文字は入力可能となる。本発明のキーボード配列は、英文入力用のキーボード配列よりも、遥かに単純化されて覚え易い。次に、K1、K2の子音系キー、A1、A2の母音系キー、S1、S2シフトキーを同時打鍵した場合に、かな文字を入力するメカニズムについて説明しよう。上記のかなコード変換部は、キー入力判定部が複数キーの中、K1、K2、A1、A2、S1、S2のキーを同時打鍵した場合にK1、K2、A1、A2、S1、S2のキーが同時打鍵されたと判定するときに、K1、K2、A1、A2、S1、S2に対応するかなコードに変換する。例えば、K1、K2が「T」、「S」の子音系キーで、A1、A2が「oU」、「uU」の母音系キーで、S1、S2が子音反転キー、母音反転キーである場合、6個のキーが同時に押下されて、キー入力判定部が複数キーの中、「S」、「T」、「uU」、「oU」、子音反転キー、母音反転キーが同時打鍵されたと判定する場合には、キー入力判定部は、「S」、「T」、「uU」、「oU」、子音反転キー、母音反転キーに対応するかなコードが入力され得る。すなわち、優先順位ルールに従って、「S」、「T」及び子音反転キーの同時打鍵は、「T」→「S」の順に打鍵されたものと取り扱われ、、「uU」、「oU」、母音反転キーの同時打鍵は、「oU」→「uU」の順に打鍵されたものと取り扱われる。更に、交互打鍵ルールから、「T」→「oU」→「S」→「uU」の順に打鍵されたものと取り扱われ、「ToUSuU」すなわち、「ちょうしゅう」に対応するかなコードに変換され、かなコード対応する文字が入力される。続いて、同時打鍵について説明しよう。人間は同時打鍵をしているつもりであっても、微妙な時間の差は避けようがない。それにも拘わらず、キー入力者が通常同時打鍵したと考えるキーの組合せを特定する必要が有る。キーの組合せに対応したかなコードに変換し、ホストシステムに送る必要が有る。そのためには、例えば、各入力キー(1つ又は2つの子音系キー、1つ又は2つの母音系キー,1つから6つのシフトキー)が打鍵されれば、各キー時間カウンターは時間計数を開始し、所定時間T0待った後、各キーコードを各レジスタに送出するものとする。これにより、キーオン時ののチャタリング等のノイズは除去されることになる。いずれかのキーが最初に打鍵されれば、そのキーのキー時間カウンターは、時間計数を開始し、所定時間T0待つ。所定時間T0経過すれば、打鍵されたキーに対応するキーコード(対応キーコード)はレジスタに送出されるとともに、時間カウンターは時間計数を開始し、所定時間Te待つ。その期間内に、いずれかのキーが打鍵されると、各対応キーコードは各対応レジスタに送出される。そして、所定時間Te経過時(経過する直前)に打鍵されていたキーのキーコードの組に対応したかなコードに変換する。同時に、キー時間カウンター、時間カウンター、及びレジスタはリセットされて、初期設定される。あるいは、所定時間Te経過前に、あるキー入力がオフになれば、オフ時(その直前に)に打鍵されていたキーのキーコードの組に対応したかなコードに変換する。同時に、キー時間カウンター、時間カウンター及びレジスタはリセットされて、初期設定される。初期設定されている間は、キーがOFFされた場合でも、キー時間カウンター、時間カウンター及びレジスタには何ら影響を与えない。初期設定中は、各キーが打鍵された(ONされた)場合のみ、キー時間カウンターを作動させる。以下、キー時間カウンターは、新たなキー打鍵を待ち、キー打鍵されれば、最初に戻り、以下繰り返す。
【0016】
【実施例】以下、添付の図面を参照して本発明の実施例について説明する。図1は、本発明のキーボードのキー配列の1例を示す。本発明のキー配列は、子音系キー打鍵用の5列3段キーと母音系キー打鍵用の5列3段キーからなる。「ブランク、K、S、T、H、N、M、Y、R、W、G、Z、D、B、P」の15キーは、キーボードの左手側の5列3段の子音系キーに割り当てる。「A」、「I」、「U」、「E」、「O」と「AI」、「EI」、「OU」と「a」、「u」、「o」と「uU」、「oU」の13キーは、キーボードの右手側のキー5列3段の子音系キーに割り当てる。一般的に、右手と左手とも、縦は各指は3段が、人差し指は更に横1列が無理なく操作できる。すなわち、一般的に、子音を受け持つ左手のみで5列×3段の合計15キーは、ブラインドタッチで無理なく操作できる。本発明では、子音系キーは15キーであり、母音系キーは13キーであるので、丁度無理の無いブラインドタッチの可能な5列×3段に配置されている。なお、濁音キーをシフトキーとして使用すれば、「G、Z、D、B」を配置する必要が無くなる。空いた5列×1段に他の文字を配置してもよい(例えば、「F」を、空いた他のキー(図示せず)に新たに追加配置してもよい)。そのまま、5列×2段のキーボードとしてもよい。なお、上記の10列3段キーは、日本文入力用と英文入力用とを兼用することも可能である。英文入力用キーの配列(例えば、従来のQWERTY型の配列(図示せず))を採用する。日本文/英文切替キー(図示せず)を用いて、日本文入力と英文入力用とに切り替える。本発明は、基本的には、「ブランク、K、S、T、H、N、M、Y、R、G、Z、D、B、P」の子音と「A、I、U、E、O」の母音を同時打鍵により、かな1文字を入力する。すなわち、子音系キーと母音系キーとを同時打鍵で(1ストロークで)、50音表の子音と母音を指定し、かな1文字の入力を行う。例えば、「K」と「I」キーを同時打鍵して、対応する「KI」、即ちかな文字「き」を入力する。本実施例のキーボードでは、更に、撥音、促音、句読点の入力を容易にするため、通常の10列3段のキー配列の外側に、撥音キー、促音キー、句読点キーのシフトキーが配置される。更に、本発明では、各シフトキーにも文字を割り当てた。促音キーには促音「っ」を、撥音キーには撥音「ん」を、句読点キーには「、」(「。」でもよい。)を割り当てた。促音キーのみが単独で打鍵されると、「っ」のかな1文字が入力される。撥音キーのみが単独で打鍵されると、「ん」のかな1文字が入力される。句読点キーのみが単独で打鍵されると、「、」(あるいは「。」)が入力される。シフトキーは、本来の機能も有する。促音キー、撥音キーは、子音系キーと母音系キーと同時打鍵により入力することも可能である。例えば、「K」の子音系キーと「O」の子音系キーと撥音キーが同時打鍵された場合、それらのキーの組み合わせに対応する「KON」即ち、「こん」が入力される。例えば、「K」の子音系キーと「O」の子音系キーと促音キーが同時打鍵された場合、それらのキーの組み合わせに対応する「KOっ」即ち、一義的に決定される「こっ」が入力される。シフトキーが句読点キーの場合、子音系キーと母音系キーと句読点キーの3キー同時打鍵によって、子音系キーと母音系キーに対応かな文字とかな文字に対応して予め決められた「、」又は「。」のいずれかのかな2文字が入力され得る。すなわち、かな文字が、「は」、「を」、「て」、「り」等の様にう段文字以外である場合「、」が入力され、「は、」、「を、」、「て、」「り」等のようにかな2文字が入力される。「た」、「す」、「る」等の様にう段文字である場合「。」が入力されて、「た。」、「す。」、「る。」のように入力される。かなと組み合わせた場合、「、」と「。」いずれが日本文での頻度が高いかどうかで決定すればよいであろう。子音系キーに右手の、母音系キーに左手の人差し指から小指まで使うため、シフトキーは親指又は足又は音声を使うことになる。なお、足を使う場合のシフトキーの配置の図示は省略されている。音声(母音は、一般に識別力が高いので、母音を音声として使用するのが有力である。)を使う場合についても、省略されている。本実施例では、スペースキーは、人差し指で打鍵するべく子音系キーに配置されている。なお、他にも、かな漢字変換キー等の種々のキーが配置されるが、説明を省略する。2つ以上のシフトキー入力方法について説明する。例えば、「さんかん」を1ストロークで入力する場合について考える。この場合、「S」、「K」の子音系キーと子音反転キー及び「A」の母音系キーと撥音キーと母音反転キーとを同時打鍵する必要が有る。「A」の母音系キーと撥音キーが同時打鍵により「AN」が入力され、更に母音反転キーが同時に打鍵されているので、「AN」→「AN」と続けて打鍵されたものと取り扱われ、子音系キーは「S」→「K」と打鍵されたものと取り扱われ、「SANKAN」、即ち、「さんかん」が1ストロークで入力される。撥音キーと母音反転キーを同時に打鍵する場合、相互に隣接した撥音キーと母音反転キーの境界部分を親指で同時に押すようにすればよい。あるいは、上記において、母音反転キーを右足(あるいは音声)で同時打鍵してもよい。促音キーと濁音キーを同時に打鍵する場合、左手の親指で打鍵すべき促音キーと濁音キーを隣接するように配置して置き、左手の親指で促音キーと濁音キーの境界部分を押すようにすればよい。この場合、濁音キーを右足(音声)で打鍵するようにしてもよい。このため、図2は、キーコード読込タイミングの1例を示す。次に、同時打鍵のメカニズムについて説明する。人間は同時打鍵をしているつもりであっても、微妙な時間差は避けようがなく、この時間差を吸収しなければならない。人間は同時打鍵をしているつもりであっても、微妙な時間の差は避けようがない。それにも拘わらず、キー入力者が通常同時打鍵したと考えるキーの組合せを特定する必要が有る。各入力キーK1〜K10(1つ又は2つの子音系キー、1つ又は2つの母音系キー,1つから6つのシフトキー)が打鍵されれば、各キー時間カウンターKCT1〜KTC10は時間計数を開始し、所定時間T0待った後、各キーコードKC1〜KC10を各レジスタR1〜R10に送出するものとする。所定時間T0待つことにより、チャタリングやノイズなどの短時間の誤信号を排除する。キーコード読込ブロックにおいて、各入力キーK1〜K10(子音系キー,、母音系キー、シフトキー)のいずれかのキー、例えばK1(このように設定しても一般性を失わない。)が最初に打鍵されれば、そのキーのキー時間カウンターKCT1は、時間計数を開始し、所定時間T0(例えば、数ミリ秒〜百ミリ秒の適当な値を採る。)待つ。所定時間T0経過すれば、対応キーコードKC1はレジスタR1に送出されるとともに、時間カウンターは時間計数を開始し、所定時間Te待つ。その期間内に、いずれかのキーK2〜K10が打鍵されると、各対応キーコードKC2〜KC10は各対応レジスタR2〜R10に送出される。そして、所定時間Te経過時(経過する直前)に打鍵されていたキーのキーコードの組に対応したかなコードに変換する。同時に、各キー時間カウンターKTC1〜KTC10、時間カウンターTC1〜TC10及びレジスタR1〜R10はリセットされて、初期設定される。しかし、ただ単純に所定時間Te(例えば、百ミリ秒〜千ミリ秒の適当な値を採る。)として数百ミリ秒も待つと、今度は短時間のキー入力を見落とすことになる。実際にオン時間が数百ミリ秒というキー入力は普通に行われる。そこで、1つ又は2つのキーがオフされたタイミングTmでの文字コード特定機能を追加する。1つ又は2つでもキーを離す頃には、必要なキーは既に押し終わっていると考えられるからである。具体的には、所定時間Te経過前に、あるキー入力がオフになれば、オフ時Tmで(時間Tmの直前に)に打鍵されていたキーのキーコードの組に対応したかなコードに変換する。即ち、キー入力検出回路54が1つ又は2つのキー入力がOFFになったことを検出すると(例えば、図3の例えばタイミングTm)、かなコード変換部56は、タイミングTmの直前で打鍵されていたキーの組み合わせに対応した文字コードをホストシステムに送出する。同時に、各キー時間カウンターKTC1〜KTC10、時間カウンターTC1〜TC10及びレジスタR1〜R10はリセットされて、初期設定される。初期設定されている間は、キーK1〜K10がOFFされた場合でも、各キー時間カウンターKTC1〜KTC10、時間カウンターTC1〜TC10及びレジスタR1〜R10には何ら影響を与えない。初期設定中は、各キーK1〜K10が打鍵された(ONされた)場合のみ、キー時間カウンターKTC1〜KTC10を作動させる。以下、各キー時間カウンターKTC1〜KTC10は、新たなキー打鍵を待ち、キー打鍵されれば、最初に戻り、以下繰り返す。
【0017】
【発明の効果】日本文入力装置において、子音系キーと、母音系キーと、シフトキーからなるキー数が少なくて、かつキー配置が覚えやすい同時打鍵式日本文入力装置を提供することができた。日本文入力装置において、母音系キーと子音系キーとシフトキーとを組み合わせて同時打鍵することにより、ストローク数の少ない効率的なかな入力が可能な同時打鍵式日本文入力装置を提供することができた。日本文入力装置において、子音反転キー、母音反転キーを設けることにより、2つの子音系キーと2つの子音系キーとこれらのキーが同時打鍵された場合、1ストロークで2以上の文字を入力することができた。日本文入力装置において、1つ又は2つの子音系キーと子音反転キーとが同時打鍵された場合、子音系キーが連続打鍵されたと取り扱うことにより、効率的な打鍵を行うことができた。日本文入力装置において、1つ又は2つの母音系キーと母音反転キーとが同時打鍵された場合、母音系キーが連続打鍵されたと取り扱うことにより、効率的な打鍵を行うことができた。日本文入力装置において、撥音キー、促音キー、句読点キーをシフトキーとして設け、子音系キーと母音系キーと同時打鍵することにより、1ストロークで2以上のかな文字を入力することができた。撥音キー、促音キー、句読点キーのシフトキーは単独で打鍵された場合は、対応文字を入力することができ、日本文入力用のキー配列を効率的に行うことができた。日本文入力装置において、2つの子音系キーを隣接配置することにより、親指以外の指で、2つの子音系キーの境界部分を押下することにより、シフトキーの同時入力を可能にし、ストローク数の少ない効率的なかな入力が可能となった。日本文入力装置において、2つの母音系キーを隣接配置することにより、親指以外の指で、2つの母音系キーの境界部分を押下することにより、同時入力を可能にし、ストローク数の少ない効率的なかな入力が可能な同時打鍵式日本文入力装置を提供することができた。2つのシフトキーを隣接配置することにより、親指で、2つのシフトキーの境界部分を押下することにより、同時入力を可能にし、ストローク数の少ない効率的なかな入力が可能な同時打鍵式日本文入力装置を提供することができた。日本文入力装置において、濁音キーを備えることにより、5個の母音系キーと、5列2段の子音系キーと、いずれかの手の親指又はいずれかの足で操作可能に配列されたシフトキーからなり非常にキー数の少なくすることにより、記憶・練習し易くするとともに、かつ極力少ない指の動きで入力することを可能にする同時打鍵式日本文入力装置を提供することができた。そして、本発明において、課題を全て達成することができたという顕著な効果を発揮することができた。

 

 

トップページへ

 

          特許事務所 富士山会
          代表者 弁理士 佐藤富徳
   電話  0120−149−331
   ファックス  0120−149−332
   メールアドレス fuji3kai@sweet.ocn.ne.jp

 

このページのトップへ

 

トップページへ

 


Copyright(C) 2005 FUJISANKAI.All Rights Reserved.